「主の愛に基づく十戒」
(出エジプト20:1-3)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 十戒と聞くと、神からの厳しい戒めというイメージを持っている方がおられるでしょう。この十戒を正しく理解するためには、その前文にあたる2節の言葉を正しく受け止めることが必要です。
 神は契約を結ぼうとしている民に大切な言葉を語るにあたり、自己紹介をされました。「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である」。神はイスラエルの民に向かって、「わたしはあなたの神である」と告げられました。民の熱心さによるのではなく、ご自分のほうからそのように名乗り出てくださったのです。
 しかもそのお方は、彼らを奴隷となっていたエジプトの地から解放してくださった救い主であるというのです。そのように語られることによって、主はイスラエルの民を宝の民として愛しておられることを明らかにされました。そのような神が語られる言葉は、たとえどのように厳しい言葉であったとしても、彼らを苦しめる意図をもって語られるはずなどありません。彼らが健やかに生きることをひたすら願って語られる、命の言葉です。
 この主の言葉は、私たち一人一人に対する語りかけでもあります。神は私たちを宝と見なし、そのために御子キリストをお与えくださいました。キリストが十字架で命をかけて救い出してくださった私たちに対する言葉は、常に愛に基づく言葉です。たとえどんなに厳しい言葉であっても、私たちの救いを願い、祝福を願って語ってくださる言葉です。私たちはその愛に応えて生きるようにと招かれているのです。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)