「愛には恐れがない」
(Ⅰヨハネ4:13-21)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 私たちは、多くの恐れを抱えながら生きています。その中で、私たちの生き方に暗い影を落とすのは、対人関係における恐れです。人から受け入れられない時、認められない時、見捨てられる時、私たちの心は深く傷つきます。こうして人の裁きや評価を恐れるようになるのです。
 ヨハネは、「愛には恐れはない。完全な愛は恐れをとり除く。」と語ります。ここで語られている愛は、神の愛、キリストの愛です。父なる神は私たちを愛し、大切な独り子を十字架につけるために、この地上に遣わして下さいました。私たちを御子の命よりも大切な存在と見て下さったのです。遣わされた主イエスは、私たちの罪を全て背負って十字架にかかり、私たちの代わりに父なる神から捨てられて下さいました。
 ゲツセマネの園で主イエスが経験された深い恐れは、神から捨てられることへの恐れでした。主は私たちの恐れを全てご存知です。ご自身が、見捨てられることの痛み、愛されないことの孤独、受け入れらないことの苦しみ、それを避けたいという思い、その全てを味わわれたからです。このお方が、恐れの只中にあっても、いつも私たちと共にいて下るのです。ここに、様々な人生の嵐の中にあっても、安心して生きて行ける希望があります。
 キリストの愛によって、恐れの根源である罪はとり除かれました。もはや私たちは、神に見捨てられることは決してありません。十字架の愛を受け取る時に、私たちも主イエスと同じ神の子とされるからです。主イエスを信じる私たちに対する父なる神の裁きは、「あなたはわたしの愛する子」という愛の声なのです。
(仙台南光沢教会 信徒説教者 横道弘直)