2012年 6月 牧会日記

植木鉢  6月17日(日) (写真はこちら


 今日は特別伝道礼拝で、八王子教会の松木従子先生が昨日からおいで下さいました。昨日はあいにくの雨でしたが、従子先生がぜひとおっしゃって下さいましたので、沿岸部被災地にお連れしました。最初は名取市閖上の日和山、新しい電信柱が立っているのが印象的でした。続いて若林区荒浜に行きましたが、荒浜の交差点から海岸方向へは「地元住民以外は立ち入り禁止」となっておりましたので、その前に止めるだけで、荒浜小学校あたりまで行くことができませんでした。工事関係車両が出入りするため、一般車の立ち入りを禁止したようです。そして最後に、蒲生のシーサイドチャペルの跡地に行きました。八王子教会の会員に関係する方がシーサイドチャペルに集っておられたとのことで、十字架の塔が立っている場所をご案内いたしました。
 今日の礼拝は、マタイ11章後半部分から、「同伴者なるイエス」という題で語って下さいました。女性の先生ならではの穏やかで優しい語り口、先生のお人柄が表れるメッセージで、私たちの心に染みいりました。午後は、八王子教会の会堂建築の様子を聞かせていただきました。教会員の方々が心を合わせ、一致して取り組まれた様子が伝わってきました。いつの日か、私たちの教会もそのような会堂建築をさせていただきたい、そして主はすでにご自身の計画を進めていて下さる、そう思わされたときでした。松木従子先生の尊いご奉仕に心より感謝いたします。



植木鉢  6月14日(木)


 12日(火)から今日14日(木)の昼まで、北日本教職セミナーが松島にて行われました。昨年6月に、かんぽの宿松島を会場に行う予定ですでに予約してあったのですが、大震災によって中止となりました。今年改めて、やはり被災地で開催したいと願い、同じ松島にあるホテルを会場に行いました。
 教団総務局を講師にお迎えし、『私たちの信じる聖化』をテキストに学びのときを持ちました。とても良い学びをすることができました。参加者19名(写真)。
 2日目の午後は、いつもその地域の観光などに出かけるのですが、今年は隣の東松島市の野蒜地区へ行き、津波被害にあった野蒜駅、昨年セミナーを行う予定であったかんぽの宿松島、野蒜海岸などを回りました(写真)。
 その後、松島に戻って観光する予定でしたが、多くの方が石巻をも見たいとのことで、その足で石巻へ行き、石巻の沿岸部を見下ろせる日和山公園へ行きました。今も入れ替わり立ち替わり、被災地見学に来られる方々がおられる中、津波で奥さんを亡くしたという男性の方が沿岸部を眺めている私たちに近づいて来られ、あの日の様子を語られました。波の間から「助けて、助けて」といくつも聞こえながらも、助けてあげることができなかった。あの叫び声は一生忘れることができない、と。その方は特別なことがない限り、毎日その公園に来ておられるとのこと。そのようにご自分のことを語ることが、その方にとっての癒しにつながっておられるのかなと感じたことでした。(写真)。
 そのあと、最近、TOYOTAのテレビCMで、北野武とキムタクが出ているCMをご覧になったことがある方もおられると思いますが、あの二人が通った駅前通りと、石ノ森萬画館に行きました。仮面ライダーやサイボーグ009などを描いたマンガ画石ノ森章太郎の記念館ですが、津波によって被災し、閉館中です。ただ、正面玄関には「本年度中の再開を目ざしています」と貼り紙が出されていました。石巻の一つのシンボルですから、ぜひ再開して欲しいと思います。(写真
 私が石巻に行ったのは昨年8月以来ですが、駅前通などはほとんどのお店が再開して元気を取り戻しつつあるように思いましたが、今なお舟が陸地に上がったままであったり、取り壊し工事をしていたり、当然のことですが、まだまだ途上という感じでした。
 一つ驚いたのは、北海道や東北の他県からおいでになった先生方が、松島観光などよりも被災地を見たいと願われ、非常に熱心に見学しておられたことでした。「やっぱり、テレビの報道で見ているだけでは分からないねえ」と口々に言っておられました。そのように関心を持っていて下さることが、私にはうれしく思いました。その感じたことを、ご自分の教会に帰って皆さんに報告し、続けて祈っていただければと願わされたことでした。会場の確保が難しかったのですが、被災地で行うことができて良かったと改めて思いました。




植木鉢  6月10日(日)


 昨日から今日にかけて、奥羽教区楯岡教会の特別伝道集会の奉仕でした。車で1時間30分ほどの距離にありますが、少し早めに楯岡に着いたので、6/8からバラまつりが始まっている、近くの東沢バラ公園に寄りました。実は先週の月曜日も、有志の牧師たちによる静まりの集いが楯岡のS先生宅であったため、バラ公園に行ったのですが、まだほとんど咲いてない状態でした。一週間の間に、いくらか咲き始めましたが、まだ満開という状態ではありませんでした。
 楯岡教会での特別伝道集会は、昨日9日(土)の夜と、今日10日(日)の午前の2回、午後は信徒研修会でした。それぞれの集会を主の守りのうちに終え、夕方、無事に戻ってきました。
 私はやっぱり会堂のことが気になり、写真を撮らせていただきました。140坪の敷地に立派な会堂が建っています。礼拝堂は最大5人掛けの長椅子が片側10脚、合わせて20脚あり、最大100人収容できる礼拝堂です。礼拝堂の後ろには多目的ホールがあって、昼食などはそこでできるため、礼拝の後も、ゆっくりと礼拝堂でお祈りをしたり、お話しができるのがとてもうらやましい感じでした。そのほか母子室や事務室、広めのキッチンもあります。2階は牧師館になっており、和室が3部屋に牧師室、ダイニングやバス・トイレなど、いつでも新しい牧師家族が来られるようにと空けてあるそうです。
 一つ嬉しかったことは、原発事故からの避難もあって福島教会からご実家のある楯岡近くに転居してこられたO姉親子が毎週の礼拝に出席しておられることでした。5月6日の福島教会での礼拝のときに、進級祝いのお祈りをした兄弟が元気に来ておりました。楯岡教会の皆さんに温かく迎えられ、楽しく過ごしているようで安心しました。
 お祈りを感謝いたします。今週は火曜日から北日本教職セミナーが松島で行われます。天候が気がかりですが、良い学びと交わりのときになるようにと願っております。





植木鉢  6月 1日(金)


 明日6月2日(土)の午後9時から、NHK総合でNHKスペシャル「イナサがまた吹く日〜風 寄せる集落に生きる〜」という番組が放送されます。津波で甚大な被害を被った仙台市若林区荒浜地区の人々の一年の歩みを追った番組です。これは一ヶ月ほど前にBSプレミアムなどで放送されたのですが、それを再編集した番組のようです。
 恐らく、ほとんど同じ内容のものだと思うのですが、番組の冒頭、震災前の荒浜の様子を上空からカメラがとらえます。松林に覆われた緑が美しい荒浜が、津波によってほとんどのものが流され、土色になってしまった情景が痛々しく感じられました。そのように、以前特集で撮影したかつての荒浜の様子がところどころに織り込まれながら、震災によってどのように生活が変わったのか、またその後の生活が落ち着いていく様子が紹介されています。その中に何度も登場するひとりの方は、昨年、日本国際飢餓対策機構の物資提供倉庫で私も一緒にボランティアをしたことがある方で、「ああ、こういう一年を送られたのか」という思いで見たことでした。
 最近は、ときどき放送される震災に関する番組を見ることが少なくなっている私です。一年間、震災に関する本や雑誌をいろいろと購入し、テレビの番組も録画しておいて後から見ることをしてきたのですが、一年が経ち、恐らく、震災関連の番組を見たりするのにさすがに疲れてしまっている、そんな感じが自分でもしています。「もうたくさん」という思いなのでしょうか。地元の人間がそれではいけない!と思いつつも、ちょっとひと休みというところでしょうか。
 ただ、自分が知っている町や知っている人が出ていると、また違った思いで見ることができました。多くの悲しみや痛みを心に抱えながら生活しておられる方々を応援する思いで、祈る思いで見たことでした。日曜日の前の夜の時間ですが、時間の許す方はどうぞご覧ください。


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