2014年8月13日(水)

「宮古での礼拝」

 10日(日)、台風11号の影響で朝から雨が降り続きました。そのような中、礼拝は宮古駅近くにある単立の宮古コミュニティーチャーチに出席しました。私たち4人と、お盆休みで帰省しておられた方々を含め、20人弱の礼拝でした。岩塚先生は東京聖書学院出身で、学院では家内よりも一つ上の学年に在籍しておられたということです。教会は津波の被害を免れましたが、宮古市は大きな被害を受けたため、岩塚先生は震災直後から被災者支援の働きを熱心にされ、3年半近くになる現在でも、仮設住宅などを回ってボランティア活動を続けておられます。東京聖書学院では、岩塚先生の働きに学ぼうと、昨年も夏の伝道チームが奉仕し、秋には修養生全員で宮古に行き、ボランティア活動を一緒にさせていただきました。今年も今月後半、伝道チームが宮古へ行き、岩塚先生の指導のもと、ボランティア活動に従事することになっています。岩塚先生の熱心な働きに、本当に頭の下がる思いでした。先生方のお働きの祝福を心よりお祈りいたします。
 その礼拝ですが、牧師であることを隠して行き、帰ってからハガキを出そうと思っていたのですが、最初に書いた新来者カードの名前を見て、礼拝が始まる前に、「佐藤先生ですね?」と岩塚先生から声をかけられてしまいました。そのため、礼拝の途中で紹介されました。何となく嫌な予感がしていたのですが、聖餐式の後の感謝祈祷を「それでは佐藤先生に」と当てられてしまいました。ごめんなさい、牧師がお祈りを「当てられた」とか「嫌な予感がした」なんて表現して。
 その礼拝も終わり、昼食のお誘いを失礼して、宮古駅に戻ってきました。教会の皆さんとのお交わりもしたかったのですが、宮古に来た一つの大きな目的は、三陸の海鮮丼を食べることでしたので、昼食をとらずに出てきました。お目当ての海鮮丼、値段もそれなりにするのでどうしようか迷ったのですが、「復興支援!」のひとことで、4人そろって海鮮丼を注文しました。この写真のとおり、立派な海鮮丼でしょう。ネタの種類の多さに驚きました。そしてやっぱり、おいしかったです。


 お昼を済ませ、「さあ、このあとどうしよう?」となりました。台風の雨で、観光どころではありませんでした。ホテルは午後5時以降のチェックインという予約でしたので、4時間近くどこかで時間をつぶさなければ、となりました。ホテルの近く、浄土ヶ浜ビジターズセンターに行くと、三陸海岸の紹介があったり、東日本大震災の津波被害についての説明がありました。津波の被害を紹介した写真パネルは、どれもテレビなどで何度も目にしてものでした。変わった形の歩道橋がガレキで埋まっている写真、さきほど通ってきた道路でした。また、黒い波があふれて車や漁船が道路に落ちてくる光景など、これも「さっき通ってきた道路だ!」と分かりました。テレビで映像として見るのと、実際に訪れるのとでは、やはり違うものがあります。ずっと身近なものとして感じるようになりました。


 そのようにして時間を使いながらも、もうやることがないために早めにホテルに行ったところ、まだ2時間近く前でしたが、気持ちよく案内され、部屋でゆっくりとすることができました。そのホテルで、予定になかった一つの企画がありました。夏休み限定ということでしたが、夜、一つの部屋で「3月11日 忘れられない時を超えて」という題の語り部が行われました。ホテルのスタッフが、震災当日の様子と、その後、約一ヶ月間の避難者との共同生活の様子を映像を交えて話してくださいました。わたしにとり、実際に生の語り部を聞くのは初めてでした。自分たちが体験したことを語ってくださいましたので、引き込まれるようにして聞き、予定していた時間があっという間に過ぎました。良かったです。厳しい状況の中で、みんなで協力しながら生きていく姿は、心を打つものがあります。地域は違っても、それぞれの3・11があることを思わされました。

 台風のために観光はできませんでしたが、わたしにとってはすばらしいプレゼントでした。翌日、何とか雨が上がってくれることを願いながら、眠りに就きました。(続く)

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