全国の皆さまへ from 佐藤信人

    

3月22日(火)

 私たちのためにお祈り下さり、また様々なご配慮をいただきありがとうございます。 さて、宅配便などが徐々に復旧し、この仙台にも他の地域からモノが送れるようになってきました。そのため、様々な方々から「直接送るから何が必要か?」との問い合わせをいただくようになっています。そのお心遣いは大変ありがたく感謝しておりますが、私たちとしましては、もっと厳しい状況にある被災地に、もっと早く、もっと多くのものが届けられるようにと願っております。そのため、小さな小さな支援のつもりで、私たち宛に宅配便等を送っていただくことをご辞退申し上げております。私たちの生活は、今のところ自分たちで何とかなっています。多くのご心配、ご配慮を心より感謝いたします。お気持ちだけ有り難く頂戴いたします。 感謝しつつ、上記のこと、よろしくお願い致します。 仙台南光沢教会・佐藤信人



3月24日(木)

私たちのために、お祈りとご支援をありがとうございます。
今朝、14日(月)に続いて、緊急支援対策室の山田先生(尾久教会)と松本先生(上野教会)がトラックで来て下さり、全国の皆さんからのたくさんの物資を届けて下さいました。トイレットペーパー、カセットボンベ、ティッシュペーパー、紙おむつ、カイロ、水、お米、お菓子など、たくさんいただきました。(上部の写真)
 いつも日曜日に無料で駐車場をお借りしている教会のお隣の板金屋さんにもカセットボンベやトイレットペーパー、紙おむつなどをお裾分けしたところ、とても喜ばれました。遠いところを駆けつけて下さったお二人の先生方、そして全国の教会の皆さんに心から感謝します。たくさんの物資をいただいて、ピリピ4章の後半を思い出しました。

    「また、テサロニケにいたときにも、あなたがたはわたしの窮乏を救おうとして、
    何度も物を送ってくれました。」    (4:16/新共同訳)
 
    「わたしの神は、ご自身の栄光の富の中から、あなたがたのいっさいの必要を、
    キリスト・イエスにあって満たして下さるであろう。」 (4:19)

 私たちに愛の贈り物を届けて下さった方々、そして私たちの一切の必要を満たして下さる主に、心から感謝いたします。 仙台南光沢教会・佐藤信人




4月1日(金)

 震災から3週間が経ち、新しい年度を迎えました。私たちのために多くのお祈りとご配慮を感謝いたします。
 今日、3つのライフラインのうち、最後に残っていた都市ガスがついに復旧しました。静岡ガスの方が来て下さり、開栓し、ガス器具の点検をし、使用の許可を与えて下さいました。仙台の街では、今全国のガス局から職員の方々が応援に来て下さっています。昨日は北海道のガス局、今日は長崎・佐世保のナンバープレートをつけた車に乗ったガス局の方を見つけました。このように、全国の多くの方々の助けによって被災地の復興が進められていることを改めて実感し、心から感謝しました。
私たちの教団においても、全国の皆さんにお祈りいただき、様々な形での支援をいただいていることを感謝いたします。私たちの教会では、今日のガスの復旧によって一段落し、平常の活動を取り戻しつつあります。まだまだ困難を極めている沿岸地域や福島原発周辺地域の方々のことを思うと、申し訳ないような、有り難い感謝の思いでいっぱいです。
今後は、福島原発などの影響で、新たに任命された田中綏子牧師の着任を当分の間見合わせることにしております福島教会の支援に力を注ぎたいと願っております。
皆様のお祈りとご支援に心より感謝して。 仙台南光沢教会・佐藤信人




4月8日(金)

 お祈りをありがとうございます。
昨夜、我が家ではもう眠りについていた頃、大きな地震で目が覚めました。前回よりは時間が短かったものの、揺れとしては同じくらいの大きな地震でした。すぐに停電になりましたが、午後2時頃に復旧しました。今回はガスと水道は大丈夫でした。
私たち家族をはじめ、教会の皆さんに人的被害は今のところないようです。ご心配をありがとうございます。2階のチャペルは比較的大丈夫でしたが、3階の住居部分は、再びいろんなものが倒れ、私の書斎や娘の部屋などは前回同様、本棚が全て倒れ、「ふりだしに戻る」という感じになりました(その様子はこちら)。さすがにちょっと疲れが出て来たようですが、娘と一緒に「何度でも立ち上がろう!」と声をかけあって、まずは娘の部屋から片付けを始めています。私の部屋は週明けにしようと思っています。御言葉と皆さんのお祈りに支えられていることを感謝いたします。ですから何度でも立ち上がります。皆さんの温かいお心づかい、お祈りを心より感謝いたします。
仙台南光沢教会・佐藤信人




4月9日(土)

いつも皆様のお祈りと励ましをありがとうございます。
7日の深夜の地震は、テレビなどではあまり大きくは報道されていませんが、私たち被災地にとっては、大きなダメージを与えています。ライフラインが復旧しつつあったとき、復興に向けて気持ちを整え、前を向いて歩み出そうとしていたとき、振り出しに戻るような大きな地震。教会は三つのライフラインが昨日のうちに復旧しましたが、私たちの教会員の中には、今も停電が続いている地域、ガスの復旧が遅れてしまった地域、再び断水している地域などがあります。また、今回の余震で瓦が飛んだ家があり、体調を崩す方々も出て来ました。前回の地震のときには、「津波で被害にあった沿岸地域の方々に比べたら、私たちはまだまだ恵まれている」と語る余裕があったのですが、今回のあまりにも大きな余震は、実際の被害以上に、精神的なダメージを与えたようです。復旧状況の格差もあり、教会員を訪問した際、停電などが続く中で疲れきった顔をして出てこられる方々を見るとき、心が痛みます。「主よ、どうぞ、私たちを憐れんで下さい」と祈らずにはおれません。心身ともに疲れを覚えている者たちのために、引き続きお祈りをお願い致します。
仙台南光沢教会・佐藤信人




4月11日(月)

いつも私たちのためにお祈り下さり、ありがとうございます。
震災から今日で1ヶ月となりました。あまりにもいろんなことがあったためか、もっと時間が経っているような感じがしています。この期間、全国の多くの方々に祈っていただき、温かい励ましの声をかけていただき、あるいはいろんなご配慮をいただきました。本当にありがとうございました。主にある全国の皆さんからの励ましによって、どれほど心がほぐされ、勇気づけられたことでしょうか。感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございました。
区切りとして、挨拶状でも出すことができればいいのですが、まだとても一区切りをつけるような心境ではありません。いろんな方々にお礼を欠いていることをどうぞおゆるし下さい。命が守られたこと、そしてココまで生活が支えられていることは本当に感謝なことですが、その一方で「1ヶ月でココまで回復しました。感謝します」と言ったならば、自分の心に少し嘘をついているような感じがいたします。
前回のメールで、4/7の深夜の大きな余震が与えた精神的なダメージについてお話ししましたが、昨日の礼拝で教会の皆さんとお話しましたところ、やはり私が感じたのと全く同じことを言っておられました。それはちょうど、最初の地震の大揺れを何とか耐えた建物が、余震によって崩れてしまうのと同じように、これまで耐えた頑張ってきた方々も、今回の余震によって心が折れてしまったような、そのような感覚を持っている方々がおられるようです。まだ同じ規模の余震がありうると警告されている中で、そのような方々をどう慰め、励ましていけばよいのか、言葉が見つかりません。それでも、教会のみんなで、ひたすら互いの心に寄り添い合うことができればと願っております。引き続き、お祈り下さいますようお願いいたします。皆さんのたくさんのお祈りとその思いに感謝しつつ。 
仙台南光沢教会・佐藤信人




4月18日(月)

 いつもお祈りをありがとうございます。
皆様に支えられて元気に過ごしております。
地震のたびに、私の書斎と隣りの長女の部屋の間にある戸がはずれ、本棚が総崩れとなり、二つの部屋が貫通してしまう事態が繰り返されました。そこで、二つの部屋を壁で塞ごうということになり、アモス先生が慰問に来て下さった際にお話し、奉仕局長の内藤先生が取り計らって下さって、17日(日)の午後からOMSのキング先生が来て下さり、1泊2日で工事をして下さいました(写真はこちら)。これで安心して新しい本棚を取り付けることができます(現在、もっとしっかりとしたものを注文中)。こちらでは、M8クラスの大きな余震を覚悟するように言われておりますので、そのつもりで備えているところです。たぶんこれで今度は大丈夫ではないかと思っています。
キング先生や内藤先生、また皆様のお祈りに感謝いたします。
仙台南光沢教会・佐藤信人




4月25日(月)

いつも私たちのためにお祈り下さり、ありがとうございます。
昨日、イースター礼拝、祝会を行いました。震災後、初めて出席された方々も数名おられ、主によって生かされた命を共に喜びました。体調不良で欠席された方もおられますが、徐々に通常の礼拝に戻りつつあります。お祈りを感謝いたします。
福島教会には、山口明雄先生が信徒の方の運転で行って下さいました。4年間ご奉仕された山口先生がおいでになったということで、福島教会の方々にとっては大きな慰めとなったようです。ただ、福島は原発事故の影響が引き続きあり、礼拝に出席できない方々、体調不良を訴える方々がおられます。どうぞお祈り下さい。
また、今週29日(金)には東北教区の教区総会が行われますが、教団委員長の郷家先生が出席して下さり、その後、築館教会訪問、30日(土)は仙台教会で集会、5月1日(日)は福島教会の礼拝の御用をして下さることになっています。感謝いたします。
私たちの教団では、ボランティアの働きが進められていることをインターネットで確認しております。自分たちがなかなか協力できないことを心苦しく思いますが、その一方で、多くの先生方や信徒の方々が被災地に何度も来て下さっていることを拝見し、とても嬉しく、また有り難く思っています。被災地の方々にとって、どれほど大きな慰め、励ましとなっていることでしょう。そのお働きの無事と祝福をお祈りしております。
お祈りに感謝しつつ。     
仙台南光沢教会・佐藤信人



5月1日(日)

 いつもお祈りをありがとうございます。
 5月に入りました。このゴールデン・ウィークには私たちの教団からも被災地支援のためのボランティアの方々が奉仕に来て下さっていること、本当に嬉しく、また感謝いたします。
 私たちの教区では、4/29(金・祝)から本日にかけて、教団委員長の郷家先生ご夫妻が巡回訪問をして下さいました。4/29には岩手県・衣川の施設で行われた教区総会に出席して下さいました。その教区会の帰りに、築館教会を訪問して下さいました。
 4/30(土)の午前には私たち仙台教会で郷家先生をお迎えしての集会を行い、恵みのメッセージをいただきました。 本日、5/1は郷家先生ご夫妻は福島教会で礼拝のご奉仕をして下さいました。教団委員長の訪問に、一同励まされました。先生ご夫妻を送り出して下さった坂戸教会の皆さんに心より感謝いたします。
 私たちの教会では、年2回行われている、大人と子どもと一緒に礼拝をささげるファミリー礼拝でした。震災後、それまで当たり前のようにささげていた礼拝でしたが、主の御前に共に集うことができるということが、これほど大きな恵みだったのかと改めて思わされています。そして、礼拝を重ねていくごとに、教会に命と力が回復されて行っているように感じております。(教区総会、教団委員長の訪問と、ファミリー礼拝の様子はこちら
皆さんのお祈りに感謝いたします。

仙台南光沢教会・佐藤信人




5月12日(木)

 いつも尊いお祈りを心より感謝いたします。
 昨日で震災から二ヶ月が過ぎました。最初の一ヶ月と比べると、この一ヶ月間でずいぶんと落ち着いてきました。お祈りとご心配をありがとうございます。
 二度にわたって総崩れとなった私の書斎も、キング先生に壁造りの工事をしていただいた後、注文していた組み立て式の本棚が先週やっと届き、8日の日曜日の午後、信徒の方に組み立てていただきました。今週、少しずつ本を並べ、やっと仕事ができる態勢が整いました。写真をご覧いただくと、まだ散らかっているように見えますが、これは震災前からこんな感じですから、これが常態です。津波に襲われた沿岸地域や液状化現象で家が傾いたりしている地域に比べると、同じ仙台市内でも私たちの周りはずっとマシなほうで、幾つかの被災地を回って来られた方が私たちの教会においでになると、建物に無数の亀裂などはあるものの、ちゃんと建っているために、「何だあ、思ったより大丈夫……」と少し拍子抜けして些かガッカリしておられるようにも見える表情を拝見し、「大丈夫でごめんなさい」と言わなければならないような、とても複雑な思いになります。
 それでも、教会員の中には震災後の過労やストレスが原因と思われる病状で二度にわたって入院される方がおられたり、年配者の中には余震が続いているために不安やストレスで体調を崩しておられる方々もおられます。被害の小さい私たちの地域でさえこのような状況ですから、もっと被害の大きかった地域に暮らす方々がどんなに大変だろうかと思い、心が痛みます。
 また、教会としては、今は私たち仙台教会よりも福島教会の方々のほうが大変であろうと思います。福島市は、福島原発により近い南相馬市や郡山市、いわき市などよりも放射線量の値がずっと高い状態が続いています。平常値が0.04マイクロシーベルトに対して、ずっと1.6~1.7という数字が続いています。平常値の約40倍です。日々の風向きの関係だと勘違いする方々もおられますが、地元の方々に聞くと、最初の水素爆発で空気中に拡散した放射性物質が、その当時ちょうど風が吹いていた方向に飛散し、その後の降雨によって地表に落ち、土壌を汚染したことが原因であるということでした。そのために、なかなか数値が簡単には下がらないとのこと。私たちがよく知らない情報を、福島の方々はよく知っておられます。それだけ敏感になっておられるのでしょう。このため、教会の中には県外へ移住されたご家族がおられ、また体調を崩して礼拝になかなかおいでになれない方々もおられます。引き続きお祈り下さいますようお願い致します。

そのような中、昨日の福島、仙台の祈祷会で、詩篇103篇を味わいました。

     「わがたましいよ、主をほめよ。そのすべてのめぐみを心にとめよ。」(2節)
     「主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな。」(新改訳)

 この二ヶ月を振り返るとき、多くの失ったものがありますが、同時に、主が日ごとにたくさんの恵みを備えていて下さったことを思い起こします。大きな悲しみや苦しみに心を奪われて、確かにそこにある主の恵みを忘れてしまいそうになる私たちですが、詩人の勧めに従って思い起こすとき、主に対する感謝が生まれ、賛美が生まれました。この二ヶ月間、全国の多くの方々に祈っていただき、様々なサポートをいただいたこと、これは決して忘れることのできない、そしてこの震災がなかったら知ることのなかった大きな恵みでした。ありがとうございました。
 恐らく被災地だけでなく、全国の方々が程度の差こそあれ、非日常の生活を過ごされたのではないかと思います。二ヶ月が過ぎ、こちらも日常へと戻っていきます。どうぞ全国の皆様も、それぞれの日常を取り戻して行かれるようにと願っております。
 これまでの多くのお祈り、また様々な心遣いを感謝いたします。再び大きな余震がない限り、このホームページ上での挨拶はこれにて終わりとさせていただきます。ありがとうございました。

仙台南光沢教会・佐藤信人



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