「力を尽くして祈ってほしい」
(ローマ15:30-33)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 パウロはまだ訪れたことのないローマの人々に、「わたしのために神に祈ってほしい」と要請します。諸教会にとって生みの親、育ての親とも言うべきパウロが、信徒たちに向かって「どうか、共に力をつくして」と本気で祈りの要請をしています。
 祈りの具体的な内容の一つは、エルサレムに上った際、不信仰なユダヤ人から救い出されるように、ということでした。かつてのユダヤ教の仲間の中に、パウロを裏切り者として激しく憎んでいる人々がいて、パウロの命を狙っていたのです。もう一つの祈りの課題は、パウロが諸教会からの義援金を渡す際、エルサレム教会の人々が素直に受け取ってくれるようにということでした。パウロの働きに反発している人々が、せっかくのささげものを拒む可能性もあったからです。
 パウロは誰よりも大きな働きをした人でしたが、自分の弱さや小ささを素直に認めることができる人でした。宣教の働きを続けるために、教会の人たちに祈って支えてもらう必要があることを痛感していました。だからこそ、教会の人々に一緒になって戦ってくれるよう求めました。
 そのように求めるパウロは、ローマ教会の人たちを信頼していました。さらに、祈りの力をも信じていました。主イエスが約束されたように、神を信じる者たちが地上で心を合わせて祈るとき、神がそれを聞いてくださると信じていたのです。
 このパウロの求めに応じて、ローマ教会は共に祈る教会として形づくられて行ったことでしょう。そして私たちも、お互いに他者の祈りを必要とする者たちです。お互いのために祈り合う教会となりますように。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)