「ヨハネ受難曲」

カテゴリー 佐藤牧師の日誌

 今日は聖受難日。ある方に教えていただいて、バッハ・コレギウム・ジャパンの「ヨハネ受難曲」の演奏をYouTubeで見ることができるとのこと。3月にヨーロッパに演奏旅行に行ったものの、新型コロナウイルスの影響で無観客演奏になり、そのケルンでの演奏を無料公開しています。
 このバッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督であり、指揮者でもある鈴木雅明氏は日本だけでなく、世界的なチェンバロ奏者であり、バッハの曲の演奏は世界的な評価を得ています。敬虔なキリスト者で、所属する東京恩寵教会では、たびたび音楽講演会を開催しています。
 毎年、この聖受難日には東京で「マタイ受難曲」の演奏会が行われますが、今年は中止となりました。鈴木雅明氏のツイッターには、演奏会の延期と「ヨハネ受難曲」がYouTubeで聴けることを知らせるツイートがなされ、「この素晴らしい音楽によって、苦しい中にも、少しでも慰めが見出されますように!」と書かれていました。
 いつも私は「マタイ受難曲」ばかりを聴いていて、「ヨハネ受難曲」はリヒターのDVDで数回聴いたぐらいで、字幕をちゃんと見ながらしっかりと聴いたのは初めてでした。多くのアリアやコラールが歌われる「マタイ」ほどの壮大さはないのかもしれませんが、「ヨハネ」も素晴らしい。これまで、古楽器によるバッハ演奏は今一つの感じがしていましたが、聴いているうちにその違和感も消え、その熱演に引き込まれていき、最後には立ち上がって拍手を送りました。無観客演奏でしたが、ネットの前の視聴者たちはきっと盛大な拍手を送っていることでしょう。ちなみに、チェンバロの演奏は鈴木雅明氏の息子さんの優人氏で、今はバッハ・コレギウム・ジャパンの首席指揮者を務めておられます。
 もう受難日が終わってしまいますが、皆さんも一度いかがでしょうか。無料でこれが聴けるなんて(YouTubeで「バッハ・コレギウム・ジャパン」を検索し、フィルターで「アップロード日を選択すると、一番上に出てきます)。日本語の字幕があります。この字幕もとても良くて、私が持っている『J・S・バッハ声楽全集』の訳よりもずっといい。
 新型コロナウイルスのことに心が奪われる日が続いていますが、心に残る受難日を過ごさせていただきました。