「喜びのクリスマスを」
(ルカ2:8-20)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 救い主誕生の知らせが最初に届けられたのは、ベツレヘムの野原にいた羊飼いたちでした。当時の羊飼いは、非常に貧しく、厳しい労働条件のもとで働いていました。社会的にも人々からは軽んじられ、宗教的にも、神を信じようとしない不真面目な輩とみなされていました。
 神は、そのような羊飼いたちをわざわざ選んで、この大きな喜びの知らせを伝えました。「すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える」と。救い主の誕生は、世の中の流れからは取り残されていたような羊飼いたちにとっても喜びの知らせであるというのです。
 「すべての民に与えられる」ということは、羊飼いがそうであるように、私たち一人一人にとっても喜びの知らせであるというのです。私たちは今、そのクリスマスを喜ぶことができるでしょうか。反対に、今は喜ぶどころではない、と思うような理由が幾つもあったりするのではないでしょうか。しかし、神はそのような者たちにこそ、インマヌエルの神として、御子イエスを私たちのもとに送ってくださいました。
 「喜び」という言葉は、ルカ15章で印象深く使われています。三つの譬え話で、失われた羊、銀貨、息子が本来のところへ帰って来たとき、「天では大きな喜びがある」と主は語られました。その大きな喜びのために、神は、御子イエスをこの世に遣わされました。その御子は、私たちの救いのために十字架で死なれました。神の大きな喜びは、御子イエスを十字架につけるという大きな痛みを伴うものだったのです。
 神は、喜びを失っている私たちのために、救い主を送ってくださいました。この大きな喜びへと、私たちは招かれているのです。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)