「神の真実から人間の信仰へ」
(ローマ1:16-17)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 罪人との関係を正して救おうとする神の義が福音をとおして示されるとき、その救いが実現するのは、その恵みを素直に受け取る信仰によってであるとパウロは語りました。
 そのことは、すでに旧約聖書に語られていたこととして、ハバクク書を引用します。「義人は信仰によって生きる」と。預言者ハバククは、神に背くイスラエルの民がまもなくバビロニア帝国によって滅ばされることを預言しました。ハバククが疑問に思ったのは、神の裁きの器として用いられるバビロニア人は、イスラエルの民以上に神に背き、残虐な民として知られていたということです。彼らには神の裁きはなされないのか、と悩んでいました。神はハバククの悩みに答え、バビロニアもやがては滅ぼされることを告げました。そのような中、義人は神の約束の言葉を信じることによって生きると喜びの知らせを告げたのです。
 ギリシャ語訳の聖書では、「義人はわたしの真実によって生きる」と訳すことができます。神を信じるその人の信仰ではなく、神の真実が信仰者を生かすというのです。
 そして、この神の真実に触れた者たちは、この神への信頼としての信仰が呼び起こされます。私たちの信仰というものは、私たちが自分の頑張りで生み出すものではありません。神の真実が、私たちのうちに神への信頼、「アーメン」と答える信仰の心をもたらします。
 この神の真実と人間の信仰の二つが一つになるとき、罪人が救われるという大逆転が起こります。御子イエスの十字架に表された神の真実が、このお方を信じる心を私たちのうちに与えてくださるのです。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)