「まことの神イエス」
(Ⅰヨハネ5:18-21)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 ヨハネは手紙の最後に「気をつけて、偶像を避けなさい。」と記しました。偶像とは、「これがなければ生きていけない」と思うもの、神よりも大切な存在のことです。私たちは、空しさや寂しさ、孤独や不安を覚える時に、お金、地位、名誉、愛情、趣味、娯楽、嗜好品、スマホなど日常にある様々なものに慰めや癒しを求めます。本来は良いものであっても、それを失えば生きていけないと思うほどに大切な存在になる時、それは偶像に変わります。
 偶像は、自分の願いを叶えてくれる神として、私たちの心が作り上げるものです。しばしば偶像は、一時的に私たちの欲求を満たしてくれるため、そこから離れられなくなるのです。偶像の奴隷、罪の奴隷の状態です。偽りの神々の支配から解放されるには、まことの神を神として礼拝するしかありません。
 私たちが神を知り、神に立ち返るようになるため、まことの神である主イエスがこの地上に来られて、神がどのようなお方かを明らかにして下さいました。主はこの地上で、多くの力ある神のみわざを行いましたが、人として生きることで、私たちと同じ痛み、苦しみ、孤独をも味わわれました。それ故主は、私たちの弱さをご自分の経験として知っておられます。それだけではなく、偶像を作り続ける私たちを受け入れ、ご自身がその罪を全て背負って、十字架に命を捨てて下さいました。
 自分の内に偶像を見出す時は、自分の弱さに直面する時です。それはまた、そんな私をも愛して下さったお方を知る時でもあります。このキリストの愛が、私たちを偶像に支配されない者へと変えていくのです。
(仙台南光沢教会信徒説教者 横道弘直)