「お互いの人格を尊ぶ愛」
(出エジプト20:14)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 「あなたは姦淫してはならない」というこの第七戒は、「現代には通用しない、時代遅れだ」という声が聞こえそうな戒めです。一般の方々にとってはそうかもしれません。けれども十戒は、神を信じる民に向けて語られた言葉です。神の恵みによって罪から救われたあなたがたは、このように生きなさい、と勧められています。それゆえ、キリスト者にとっては、時代遅れになることなどない神の教えです。
 神はこの戒めにおいて、夫婦関係以外の全ての性行為を禁じておられます。それは神が結婚を重んじ、夫婦の間においてのみ、性の営みを許されたからです。結婚とは、他の男女が入り込むことなどできない、一対一の特別な関係に入ることです。
 人が姦淫の罪を犯す大きな理由の一つは、愛されていることを実感したい、という心の問題があります。渇いている心を満たすために、性が手段となり、道具になってしまいます。姦淫の罪は、人格を持っている相手を欲望を満たすための道具にしてしまうこと、人格否定につながるところに大きな罪があります。
 十戒においてこれを禁じているのは、これが信仰との関係において克服されるということです。ヨハネ4章に出てくるサマリヤの女性は、主イエスに出会ったとき、渇いていた心が満たされました。ヨハネ8章に出てくる姦淫の罪の女性は、主イエスの前に罪を認めたとき、「わたしもあなたを罰しない」という赦しの宣言を聞き、「もう罪を犯さないように」との励ましを受けて送り出されました。福音により、お互いの人格を尊ぶ愛に生きることができるように変えられていくのです。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)