2013年5月 3日(月)

 ゴールデン・ウィークは特別な予定もなく、家でゆっくりと過ごしています。 昨日、録画しておいた震災に関するNHKの番組を見たのですが、その中で「未 来へのキオク」というインターネットのサイトが紹介されていました。震災の被 害にあった地域の道路沿いの風景(ストリートビュー)を、震災前と震災後を比 較しながら見ることができるサイトです。早速、そのサイトで沿岸地域の道路の ストリートビューを見てみました。  この2年間、多くの被災地を回りましたが、震災前には一度も行ったことのな かった地域がほとんどであったため、もともとそこがどのような風景だったのか、 どれほど津波によって破壊されてしまったのかがよく分かっていませんでした。 名取市閖上、石巻市門脇、山元町坂元、福島県相馬市、新地町などをはじめ、通 ったことはあるものの記憶が定かではなかった女川町、東松島市野蒜、石巻市渡 波など、津波で大きな被害にあった各地の画像を見ました。私が知っているのと は全く別の風景がそこにありました。何もかもなくなってしまった閖上や女川の 町に、道路の両側にこんなにも家屋が建っていたのかと驚くばかりでした。震災 後、津波にも耐えて残ったためにいつもよく見える建物が、震災前の画像ではほ かの建物にさえぎられて見えないのです。石巻市の門脇地区に行けば、今では遠 くからでもあの門脇小学校が見えるのですが、震災前の画像では、近くに行かな ければ見えてきません。それらが、日常の風景だったのです。それらの道路をた どりながら、一つの驚きは、「この道路、こんなにも狭かったんだ!」というこ とです。今は両側に何も建っていないために、道路の狭さをあまり感じないので すが、震災前の道路をたどると、それがとても狭く感じさせるのでした。  家が建ち並ぶ風景を見慣れていた地元の被災者にとって、何もかも無くなって しまった風景に、どれほど大きな喪失感を覚えたことでしょう。そのことを十分 に感じさせてくれる画像です。  被災地に行ったことのある方々は、ぜひこのサイト、「未来へのキオク」を覗 いてみて下さい。残念ながら、荒浜や気仙沼鹿折地区、陸前高田など、アップさ れていない道路もまだたくさんありますが、被災の様子を改めて教えてくれるサ イトです。
 被災地の方々のために、今日も祈りが続きます。



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