「正しい福音にとどまれ」
(ローマ16:17-24)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 手紙の終わりに挨拶の言葉を述べていたパウロが、突然、「つまずきを与える者たちに警戒せよ」と語ります。教会の中に、間違った教えを語る者が入り込んでいる、というのです。それらの人々に対して、ただ警戒するだけでなく、「彼らから遠ざかるがよい」と勧めます。
 これは驚くような勧めではないでしょうか。パウロは全ての人に対して分け隔てなく福音を宣べ伝えることを大切にしてきた使徒であり、「最も大いなるものは愛である」と語った人です。そのパウロが、間違った教えを語る人々に近づいてはならない、と命じるのです。
 パウロがそこまではっきりと語るのは、そこに信仰の命がかかっているからです。彼らの間違った教えに引き込まれて、正しい信仰を失ってしまう人が出てきてしまうからです。その人たちから離れないと、救い主キリストから離れてしまうことが起こると予想されるからです。
 その間違った教えの根本問題をパウロは指摘します。「こうした人々は、わたしたちの主キリストに仕えないで、自分の腹に仕え」。「イエスは主」という信仰告白とは異なり、自分の腹、自分の欲望が主人となってそれに仕える、という生き方となっているのです。そのような偽りの信仰から離れるようにと勧めます。
 パウロはローマの人々に、自分が語ってきた正しい信仰、「わたしの福音」に留まるようにと勧めます。それは唯一の救い主キリストに留まるようにとの勧めです。キリストだけが、私たちを罪から救い出す力があるのです。この週も、キリストの恵みが私たちを守り、正しい信仰に留まらせてくださいますように。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)