「驚きが生み出す神への賛美」
(詩篇8篇)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 ダビデによるこの賛歌は、ダビデの驚きが賛美の原動力となっています。ダビデはまず、夜空に浮かぶ月や星の美しさに驚きます。けれどもそのとき、美しい雄大な自然そのものをほめたたえるのではありません。ダビデの目は、月や星にとどまるのではなく、それらを造られた神へと向けられます。そして、創造者である神のみわざをほめたたえるのです。ここが、被造物を神として拝んでしまう人々と、真の神を信じる者たちの大きな違いです。
 次に、ダビデの目は天から地へと降りてきます。宇宙の広大さと、それらを造られた神の大きさに比べたら、自分はなんと小さな存在であるかと驚きます。私たちはいつも他の人と自分とを比較して考えるため、高慢になったり、卑屈になったりします。けれどもダビデは、創造者なる神の大きさと自分とを比べて、自分の小ささを実感しました。
 けれどもそのとき、ダビデが最も驚いたことは、偉大な神がその小さな自分を顧みておられるということでした。「人は何者なので、これをみ心にとめられるのですか。人の子は何者なので、これを顧みられるのですか」。天の神が自分のことを顧みておられることを知ったとき、自分を見る目が変わりました。価値なき者と見ていた自分を価値ある者と見るようになったのです。
 私たちはダビデ以上に、神を賛美する理由を知っています。神が私たちを顧みてくださって、御子キリストをこの世に送り、私たちのために十字架にかけてくださったからです。御子キリストがご自分の命と引き換えにするほどに、私たちを価値ある者と見てくださいました。この神の大きな恵みに驚いた者たちは、心から神を賛美して生きるのです。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)