「主の名を呼ぶ幸い」
(出エジプト20:7)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 十戒の第三の戒めとして、「あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない」と命じられました。イスラエルの民はこの戒めを曲解して、神の名をまったく口にしなくなったため、神の呼び名を忘れてしまうほどでした。
 しかし、これは神の名を全く呼んではいけないと言っているのではありません。「悩みの日にわたしを呼べ」と主は言われます。「みだりに」とは、中身のない、空しい使い方をしないようにということです。神の名は存在そのものと結びついており、名を軽んじることは、神ご自身を軽んじることになるからです。
 私たちが忘れてはならないことは、私たちが神を呼ぶ前に、天の神が私たちの名を呼んでいてくださるということです。小さなこのわたしの存在を尊び、その価値を認め、愛していてくださるということです。人は神に名を呼ばれて、人間としての存在を回復していきます。そのとき、神を正しく呼ぶことができる者とされていきます。本来は神の名を呼ぶことなどできなかった者たちでした。しかし、主イエスが十字架でとりなしてくださって、私たちを神を呼ぶことができる者に変えてくださいました。
 その私たちには、「アバ、父よ」と呼ぶ御子の霊が与えられました。私たちは奴隷のように、神から罰を与えられるのではないかと恐れて生きる必要はなくなりました。幼子が父親のふところに飛び込むように、愛と信頼をもって、「父よ」と呼ぶことができるのです。私たちは御子の霊を受けた者たちです。主の霊を促しを受けて、神を呼ぼうではありませんか。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)