「自分のために神を造る罪」
(出エジプト20:4-6)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 ローマ・カトリック教会などでは、十戒の第二戒を第一戒の中に含めて、異教の神に対する偶像礼拝を禁じたものと理解します。しかし、私たちはこの第二戒を第一戒と区別し、これを真の神を像に刻むことを禁止したものとして理解します。
 霊なる神を形にするということは、神を被造物と同じモノにしてしまうことであり、人格を持たず、ものが言えない存在にしてしまうことです。これにより、私たち人間がこの神に向かって一方的に語るだけの信仰生活になります。これにより、神と私たち人間の立場が逆転してしまいます。
 人が神を形にして造ろうとするのは、「自分のために」とあるように、自分にとって都合のいい、自分の役に立つ神を求めるからです。そのとき、私たちが主人となり、神を僕としてこちらの言うことを聞いてもらう、そのような信仰生活に陥ります。私たちが偶像を造るということは、自分にとって都合のいい、自分のイメージに合う神を造ろうとすることです。それは、私たちが神に似せて造られたという創造のわざに反することを行うことになります。ここに、人間と神との立場が転倒してしまう罪の姿があります。この第二戒は、そのような転倒からの悔い改めを促す勧めです。私たちは自分のために神を造るのではなく、神のために生かされている者たちなのです。
 この大きな方向転換は、私たちのために人となられたキリストが、私たちのために十字架で命を捨ててくださった、という大きな恵みを知るときに起こります。キリストの恵みに応えて、今度は神のために生きる者へと変えられていくのです。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)