「今日まで私を養われた神」
(創世記48:15)

カテゴリー 礼拝メッセージ要約(説教者による)

 私たちの教会の名誉牧師・山口明雄先生が昨日天に召されました。その山口先生の愛唱聖句の一つが、「生れてからきょうまでわたしを養われた神」というこのみ言葉です。
 これは、死の床についていたヤコブが、息子ヨセフの訪問に際して、孫への祝福の祈りの中で最初に口にした言葉です。「養われた」とは、「羊を飼う」という意味です。ヤコブは自ら羊飼いだったことから、羊飼いが羊のためにどんなに苦労して世話をするか良く知っていました。羊は人間に最も飼い慣らされた動物で、人間の世話がなければ生きていけない動物です。ヤコブは主なる神を羊飼いにたとえながら、自分はその羊であると認めたのです。
 「押しのける者」という意味の名を持つヤコブは、兄を押しのけて長子の権を奪い取り、家を飛び出して伯父ラバンのところに転がり込んだ後は、逆にラバンに苦しめられ、その後は子どもたちのことで苦労を重ねることになりました。そのようなヤコブに対して、主は見捨てることなく、羊飼いであり続けてくださった!と感謝したのです。そして、ヨセフたちに対して、この神を頼みとして生きて欲しいと、神による祝福を手渡したのです。
 山口先生の88年の生涯は、14才のときの出兵から始まり、苦労の連続で、大病を患って何度も死の淵を通りました。その人生を振り返ったとき、先生はこのヤコブの言葉に自らの人生を重ね、羊飼いなる主に感謝をささげられたことでした。
 山口先生をそのように支えられた神を私たちの主と仰ぎ、「生れてからきょうまでわたしを養われた神」と呼ぼうではありませんか。
(仙台南光沢教会牧師 佐藤信人)